最近、よく耳にする「サブスク」という言葉。システム開発の業界でも「サブスク型(月額制のシステム開発)」を提供する企業が増えてきました。本記事では、システム開発の新しい形として月額制のシステム開発を提供し続けているPRIME ORDERがサブスク型システム開発(月額制のシステム開発)のすすめと、注意点について解説します。

はじめに
こんにちは。
PRIME ORDERの内藤です。
サブスクという言葉、かなり世の中に浸透しましたね。
そんなサブスクも色々とありますが、もっとも身近なのは、Netflixなどの映像コンテンツ配信サービスでしょうか。音楽配信なんかも利用者が多いですよね。
少し風変わりなサブスクだと、毎月違う味を楽しめるコーヒーのサブスクや、自分のスタイルにあわせて服をシーズンごとに送ってきてくれるファッションのサブスクなんかもありますね。
さて、今回のお話のテーマは、システム開発のサブスク(月額制のシステム開発)です。
ぼくらPRIME ORDERは2019年のサービス開始以来ずっとサブスクリプション型のシステム開発をお届けしています。その原型となる月額制サービスの開始(2013年)からカウントすると、実に12年、サブスク型システム開発をやらせてもらっています。自分で言いながらなんですが、結構長い時間が経っているのだなぁと少し感慨深くなります。
すみません、脱線してしまいました。そうした経験と少なからずある見識の中から、今日はサブスク型開発のメリットと注意点について簡単にお話したいと思います。
サブスク型開発(月額制のシステム開発)の定義
サブスク型開発について説明するために、サブスクではない従来型の開発について簡単に触れます。従来のシステム開発は、発注前にどのようなものを作るか十分に吟味検討を重ね、要件定義書というものにもとづいて開発ベンダーと契約を取り交わします。作りたいシステムは要件定義書に記載されており、それに基づいてベンダー側は費用と納期を提示する流れです。こうした流れから、ベンダー側には見積の費用内、納期内にシステムを完成させる義務が発生します。こうした契約形態を、一括請負契約と呼びます。
それに対して、サブスク型開発はどうかというと・・・一括請負とは契約分類が別になります。その名も、準委任契約。これは、かかった時間に対して請求金額が決まるという種類のもので、何を作るからいくら、という一括請負契約とは大きく性質が違うものです。一番大きな違いは、ベンダー側に費用内、納期内の完成責任がない点です。一聴すると、発注側が不利なように感じるかもしれません。
でも、このところサブスク型のシステム開発の需要が高まっています。一見、デメリットに感じる準委任契約のサブスク型開発、いったいどんなメリットがあるのでしょうか。
こんなプロジェクトにおすすめ
従来型の一括請負契約ではなく、サブスク型の準委任契約が選択される理由を理解するためには、システム開発プロジェクトが持つ不確実性を知る必要があります。詳しくお話すると長くなってしまうので、詳細は別記事にて解説しますが(*1)、端的にいうと、「本当に欲しかったシステムは、作る前に詳細に決めきることはできない、あるいは決めきらないほうがいい」という特性があるんです。
いくら、見積の費用通り、スケジュール通りにシステムが納品されても、ユーザーに歓迎されない、使われない、使えないシステムだとしたら、安かろうが早かろうが、お金と時間をドブに捨てただけです。従来型の一括請負型の開発プロジェクトでは、そうした結末を迎えるケースがあまりに多く、そのアンチテーゼとして普及してきたのが、今回お話しているサブスク型開発なんです。
サブスク型開発では、事前にシステムを詳細に定義したりしません。完成させるものを詳細化しないので、当然完成までの詳細スケジュールも作成されません。それだけ聞くと、ベンダーには嬉しいけれど、発注側にはリスクしかないように感じるでしょうか。
でも、このやり方には、発注側にこそ大きなメリットがあるんです。従来型の開発は、たしかに予算通り、スケジュール通りに「機能」が納品されます。でも、その「機能」はユーザーに歓迎されなかったり、不足や改善点があったり、使えない・使われない機能であるリスクがあまりにも大きいのです。
それに対してサブスク型開発では、”小さく作り、ユーザーのフィードバックを受ける”というサイクルをなんども繰り返しながら、使える・使われるシステムを作り、月々「効果」が納品されていきます。
システム開発の不確実性を理解したうえで、「機能」ではなくその先にある「効果」を確実に手に入れたい。そういうプロジェクトにこそ、サブスク型開発が適しており、実は世の中のほとんどのシステム開発プロジェクトがそうであるということを、ぼくらはこの12年の中で実際の体験として知っています。
*1 トラブルにならないために、ITベンダーと交わすたった一つの約束
気をつけたいこと
どのような方法論にも、それが一つの選択肢である以上、デメリットはあるものです。今回のサブスク型開発も同様で、サブスク型開発なら必ずうまくいく、というものではありません。サブスク型開発を選択するうえで、ぜひとも気をつけていただきたいことがあります。
それは、サブスク提供されるシステム開発サービスの「質」です。
Webアプリケーションを例に取りますと、今日のITエンジニアの約3割が、経験年数3年未満のジュニアエンジニアだと言われています。彼ら彼女たちの中には、先々素晴らしいエンジニアになる人材もいれば、そうではない人たち・・・まさにふるいにかけられている最中の人たちが大勢含まれています。そうしたエンジニアは、経験年数が浅いということで、調達価格も低く抑えることができます。
準委任契約に完成責任がないという点につけ込んで、こうした安くて質の低い人材を時間制で提供するだけの粗悪なサブスク型開発サービスが多く存在している点に、ぜひ最大の注意を払ってください。
また、経験年数だけが十分にあればいいというものではありません。あなたの相談事に関心を示さない、なにか相談しても「無理ですね」の一点張りのITエンジニアも、残念ながら多くいます。彼ら・彼女たちは、これまでのエンジニア人生で、厳しいスケジュールの中で無理難題を押し付けられる毎日を過ごし、すっかり疲れて情熱が枯れてしまった人材たちなのです。
あなたがサブスク型の開発サービスを受ける際、そうした人材ばかりが配置されたらどうなるかを想像してみてほしいんです。https://prime-order.jp/engineer-team/
サブスク型開発を選択するのであれば、提供される開発チームの質にこだわる必要があります。求めたいチーム像についてはこちらの記事(*2)に言語化してまとめましたので、詳細をお知りになりたければ、ぜひご参考にどうぞ。
*2 情熱と成果を生む“しなやかな開発チーム”のつくり方──PRIME ORDERの実践知
最後に
PRIME ORDERでは、あなたの事業を自分ごととしてとらえ、情熱的に取り組む開発チームが揃っています。
ぼくらは、確かな技術と経験でシステムを組み上げる力を持っています。でもその力を自分たちのために使う術がありません。
あなたの事業に、経験豊かで情熱的なシステム開発チームが必要であれば、ぼくらが喜んで引き受けます。ぜひお気軽にお問い合わせください!
▶︎ 無料相談はこちら

内藤 洋史
1999年、慶應義塾大学経済学部卒業し、isiD(現在の電通総研)に入社。 大手SIerでの洗練された上流工程を数年経験後に、小さなソフトウェアハウスでの泥臭いフルスタックな毎日に身を投じる。
長年にわたるエンジニアマネジメント体験から、開発チームのモチベーションこそがプロジェクト成功の鍵になることを確信。2019年、自身のノウハウと独自の組織論を核に据えて、クライアントとプロジェクトの成功にコミットする新しいシステム開発「PRIME ORDER」をスタート。
週末は、少年サッカークラブの監督という別の顔を持つ。